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【ブックレビュー】生涯投資家 村上ファンドは時代の先を行き過ぎたガバナンス警察だった。読み解く2大キーワード

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こんにちは、ささのりです。

 

「生涯投資家」村上世彰 を読みました。村上ファンドで名を馳せた村上さんの本です。

 

生涯投資家 (文春文庫)

村上ファンドってよく知らないのに、なんとなく悪いイメージがありました。

 

この本を読んでわかったのは、村上ファンドが時代の先を行き過ぎたガバナンス警察だったということ。

 

物言う株主の先駆者。

 

一躍有名になったニッポン放送とホリエモン、インサイダー事件についてもこの本で触れています。

 

投資の考え方や企業の上場についてもわかりやすく書いてあっておもしろい!株式投資したくなりました。

 

【ブックレビュー】生涯投資家 村上ファンドは時代の先を行き過ぎたガバナンス警察だった。読み解く2大キーワード

印象的なポイント

✔小学校3年生から投資

不動産投資メインの父。その父からお小遣いを一括で貰い、それを小学生のときから投資運用していたんだとか。投資の英才教育。

 

子どもの頃から当たり前に触れるって大事ですね。

 

✔期待値とリターンで考える

期待値が高ければ、7割の確率で100円負けるといえど、3割の確率で700円リターンが出るなら投資する。


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きっとロジックで考えるとプラスなんでしょうが、素人にはできません。

 

✔あのインサイダー事件の真相

村上ファンド事件について

村上ファンドの代表者が、ライブドアがニッポン放送の株を買い占めるという情報を事前に聞き入れ、ニッポン放送の株でインサイダー取引を行い逮捕された事件。

 

代表は、ライブドアがニッポン放送の株を買い占めるという予定は実現可能性は低いと無実を主張しましたが、法律上では実現率は関係なく情報を仕入れて取引をした事実が重要視されるため、インサイダー取引と判断され逮捕につながりました。

引用

インサイダー取引で逮捕される基準と罰則|捕まった際の対処法まとめ | 法律相談ナビ

 

ここでのポイント
・現実率は関係ない

当時のライブドアが買い占めるのは無理な話。堀江さんの理想や夢レベルの話もインサイダーの対象に。

 

実現率は関係なく情報を仕入れて取引

 

極論、もし友人がマックの株を3%買い占めるぞ!って言ったとして(現実的に考えて絶対ありえない)、それを聞いたあとにマックの株を売買したらインサイダー。

 

う〜ん、ありえんて。

 

・日本の刑事事件の有罪率

有罪率99%というムリゲー社会の極み。事実がどう以前にフェアな裁判ではないでしょうね。

 

※勝手に村上さんの人柄を想像

突然ですが、正論言ってるのに受けつけない人っていませんか?私の身近では保育園の副園長先生です(話を聞きもしない、自分の思う通りに押し進める、でも正論)。

 

たぶんですが、村上さんのはっきりとしたものの言い方は勘違いをされやすい人の典型かと思います。


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勝手な推測、村上さんすみません;

 

経歴からの偏見か、通産省の役人を経てファンド(投資畑)って両方の職業とも世間一般的の勤め人の感覚ともズレがありそうな印象。

 

またまた勝手にすみません…。

 

あと、ここまでガバナンスを大事にして法を盾にする分、法令遵守もきっちりしてそうな印象。コンプラ警察もできそう。

 

だからこそインサイダー事件の真相は気になるところ。それ以前に裁判がアンフェアな状況だったの想像できます。

 

この本の2大キーワード

✔コーポレートガバナンス

一つ目はコーポレートガバナンス。

 

当時、売上至上主義の日本ではコーポレートガバナンスなんて言葉も無ければ、それを気にする経営者も株主もいなかった。

 

「株式会社は株主のもの」って今ならわかりますが、ひと昔前の日本では理解されないだろうな(私も理解できなかったひとり)。

 

そんな中で企業と株主の利益を最大化する考え方は先を行ってましたね。彼の背中を押してくれるのは米国や海外投資家くらい。


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この本を読むと、彼は敵対的買収というより、ガバナンス警察

 

意外だったのは、企業との建設的な対話とコミュニケーションを大事にしていること。

 

今スタンダードになっているってことは当時から正しい主張や意見をしていたはず。しかし彼のモノの態度と言い方は敵を作りやすいはず。そこが惜しい。

 

✔資金の循環

二つ目は資金の循環。この本を通してコーポレートガバナンスと同じくらい「資金循環」という言葉がたくさん出てきました。

 

資金を循環して、利益を最大化する。株価を上げる。株主に還元する。

 

心配性な日本企業、今でもキャッシュや内部留保をたっぷり溜め込んでそうですね。

 

内部留保を溜め込んでいる企業に対して株主に還元するように動きかけていたり、なぜ溜め込んでいるのか使途説明を求めたり。上場する意味ないなら自社株買いや上場廃止を提案したり。


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物言う株主の走りですね。経営者対株主の構図が想像つきます。

 

おわりに

経営することと投資をすることは脳の使う部分が違うのかなと感じます。

 

経営者と違い、投資家はリーダーシップいらないし、その分野の専門知識もいらない。必要なのは数字を読み解く力と経験値。


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経営者、投資家どちらが良い悪いではないですが、職業投資家ってやっぱり違うな〜とそんな単純な感想を思いました。

 

株についても勉強になりました。なんとなく悪かった村上さんのイメージが上がりましたし、内容も面白かったです!

 

株式投資がしたくなりました。一度挫折したけど、投資再デビューしようかとも思いました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。